以前紹介した【初心者向け】VRChatでTRPG!やり方解説&イベント紹介【CatsUdon】 において初のGM(ゲームの進行役)をした際に作ったシノビガミのシナリオを公開します。
シノビガミのルールブックを入手したその日にGMをやることが決定し、1からシナリオを作成しました。
忍術バトルRPGシノビガミについてはおすすめTRPGシステム5選&自分のTRPGキャラ8名を紹介 でも触れていますので、ご興味のある方はこちらも見て下さい。
本作は、「著:河嶋陶一朗/冒険企画局、新紀元社」が権利を有する『忍術バトルRPG シノビガミ』の二次創作作品です。
(C)冒険企画局/新紀元社/河嶋陶一朗「忍術バトルRPG シノビガミ」
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シナリオ概要
シナリオ名:世界NINJAカンファレンス
レギュレーション:現代
タイプ:特殊型
シナリオ傾向:ギャグシナリオです
プレイ人数:4人
階級:中忍。継続は中忍、中忍頭までOK。一般人PCも可能(その際はハンドアウトの忍者表記を変更する)。
リミット:3サイクル
推奨PC:変な人物だとより楽しめるかも。PC3は世界忍者連合を推奨。他は指定なし。
プレイ時間:3時間半~4時間程度(オンラインセッション時)
PL難易度:全員の使命達成は少し難しいくらいのイメージ。立ち回り次第。
GM難易度:少し特殊なルールの把握が必要。該当する箇所の確認は必須。
【トレーラー】
あなたたちは、何らかの形で世界忍者連合と関わりを持つ忍者である。それぞれの目的を果たすため、三重県で開催される世界忍者連合の会合「世界NINJAカンファレンス」へと参加した。何かを間違えた愉快なNINJAたちの特殊型ギャグシナリオ、ここに開幕。
世界忍者連合は世界中の忍が集まる多国籍集団です。変な連中がわちゃわちゃするネタシナリオなので、PCも好き勝手な設定で作って頂いて構いません。ネタキャラも大歓迎!
3/28シノビガミ「世界NINJAカンファレンス」GMしました。#CatsUdon&シノビガミ初GMで自作シナリオです。
ネコちゃん、巫女中学生、アマゾンの忍者、バイオエンジニアリング鴨(ハト)といったおもしろ忍者たちが参加してくれました。ありがとう!
わちゃわちゃしつつ、無事に楽しめました!#VRTRPG pic.twitter.com/o8E2b7eLtA
— joni_momonga@VRブログ (@JoniMomonga) March 28, 2023
5/16 シノビガミ「世界NINJAカンファレンス」第二回をやりました。
ハチャメチャという言葉が凄く似合う、愉快なお話でした。遊ぶ人によって違う展開が見られるシナリオなのを改めて実感!
準備でき次第、ブログでシナリオ公開もしますのでお楽しみに~。#CatsUdon #VRTRPG pic.twitter.com/cMy4OYrhst
— joni_momonga@VRブログ (@JoniMomonga) May 16, 2023
実際のセッション時の様子です。もしご興味の方がいらしたらお声がけください。VRChatのCatsUdonでセッションできますよー。
PL向け公開情報
本シナリオでは、PC1~4に加えて以下のハンドアウトがPLに事前公開される。ゲーム上では各PCが知っている事前情報という扱いになる。
プライズ「NINJAソウル」 ハンドアウト
会場に飾られている人魂のような形をした装飾品。このプライズを取り合うイベントが催されるらしい。
各PCはこのプライズの「居所」を既に獲得しており、戦闘を仕掛けることで取得が可能。
所持者は自身のドラマシーンでこのプライズの受け渡しが可能である。戦果として獲得しても良い。
利用規約
以下のページをご参照ください。
シナリオ背景
これ以降の内容は本シナリオのネタバレを含みますので、PL予定の方は閲覧をご遠慮ください。
シナリオ全体の流れ
三重県伊賀市で開催されていた世界NINJAカンファレンス。よく分からない変な連中が暴れまわらないか心配になった伊賀の忍者たちに目を付けられ、派遣された斥候(下忍頭)によって会合を監視されていたのだ!
全ては世界NINJAカンファレンスを平穏に終わらせるために…。
居所がばらまかれるのは、下忍頭によるお前たちの情報はいつでもばらまけるんだぞという牽制である。シナリオ的には一体何者なんだ…と考察させる役割。後述する伏線①に気が付けば、事前に正体の予想を付けられる。
ちなみに、下忍頭である理由は「なるべく穏便に済ませたいけど、こんなところに重要戦力割きたくないし下忍頭ででええやろ」という上層部の判断。
三重県伊賀市で開催したのは「せっかく集まるならNINJAで有名な場所にしようZE!」「なら伊賀はどうだい?昔から有名な土地の1つDA!」「(・∀・)bイイネ!!」という感じで世界忍者連合の連中がノリで決めたため。ギャグシナリオなので、理由もネタ全開。
「じゃあ、せっかくなら色んなヤツ呼ぼう!」ということで、アイリーンを初めとする世界各国のNINJA(と思われる人)や、「ついでだしその辺の人も参加OK!」という謎の勢いで他流派や招待枠、一般参加も可能というカオス具合に。
本シナリオで他流派や一般人PCが当然のように使用可能な理由でもある。
また、一般人(システム的な一般人ではない)が紛れるシーン表が出た場合は、会場にいる一般参加者も登場してうぇ~い的なことになる。
描写に配信している忍者がいた通り、実は会合の撮影・配信OKとなっている。そのため、全世界で様子を見ることができる。哀れ伊賀忍者。
ついでに、その混沌具合やNINJAソウルの力が何らかの化学反応を起こしたのか1サイクル目の終了時に中川慎一郎は世界NINJAカンファレンスの会場の座標に呼ばれてしまう。
中川はかなり短い時間で忍者たちが集まっていることを察して、とりあえず忍びを名乗ったのであった。
伏線の解説
本シナリオには、ギャグの中に仕込まれたいくつかの伏線がある。その内容と詳細を解説する。GMをする際には、シナリオ終了後に①~③辺りを教えてあげるとPLとの答え合わせができてさらに楽しめるだろう。
①トレーラーの時点で舞台が「三重県」であると明示されていること
三重県で特に忍者が有名な場所といえば伊賀市。その伊賀市が舞台であり、監視している謎の人物が伊賀の忍者であるという伏線。
②アイリーン・キャメロン登場時に「アイロンがけとしてはかなりのスピード」という描写があること
あくまで、アイロンがけよりは早いだけであり「高速機動ではない=アイリーンはニンジャではない」という叙述トリック。忍者たちの会合ということで、PLの頭の中に高速機動で動いている図を想像させられたら大成功。
③アイリーン・キャメロンの名前は前後を合わせることで「アイロン」となること。そしてその後に登場する人物が「中川慎一郎」という名前であること。
なかがわしんいちろう→なろう という訳である。
中川を1サイクル目終了時に登場させることで、何か重要そうな人物が登場したという方向に思わせてこのネタを気づかせにくくする意図がある。
④中川慎一郎の一言目が「やれやれ」であること
これも③と同様。よくあるセリフの1つ。中川は目立ちたくない系の万能型なので、魔法使いと帰還者のペルソナを所持している。能力的にもその系統にピッタリだったので、こういった役割のキャラクターを用意した。
GMはハンドアウト公開時のリアクションを楽しむのだ。
⑤会場内にずっと高速機動で戦闘している忍者たちがいること
アイリーン覚醒時にこの忍者たちにアイロンをかけることで高速機動ができている証明と、PL側が会場で騒がしくする描写していない場合でも伊賀忍者を登場させられるようにする理由作りの2つの役割がある。
高速機動でシナリオ開始時からずっと戦闘していたら騒がしいのは明白である。
ハンドアウト&解説
プライズ「NINJAソウル」 解説
本シナリオのキーアイテム。このアイテムを誰が所持し、誰に使用するかによってクライマックスの展開やエンディングが変化する。
一般人にシノビの力を与えるパワーアップアイテム。使用した場合は対象が忍者として覚醒する。NPCに使用した場合は、シナリオ終了後も忍者として過ごすことになるだろう。
一般人PCに使用した場合、望む場合は本シナリオの功績点を所持したまま中忍の忍者PCにコンバートしてもよい。そうでない場合は一時的なものとして、一般人に戻ってもよい。
そのままの名前であり、忍者の魂をその身に宿せる謎のアイテムである。取り合うイベントは本当にただのイベントなので、シナリオ上聞かれない限り特に描写する必要は無い。
プライズ「NINJAソウル」 秘密
実は会場に飾られている「NINJAソウル」は偽物であり、本物は何者かによって盗み出されたようだ。「NINJAソウル」には一般人にシノビの力を与える不思議な力がある。
「本物のNINJAソウル」はクライマックスフェイズにおいて、一般人を対象にこのプライズの使用を宣言することで効果を発揮する。
その対象は高速機動の力を手に入れ、忍者と同様のプロットと攻撃をすることが可能になる(予測値は使用しない)。
さらに、対象は追加で【接近戦攻撃(対人術)】、【車華火(身体操術)基本P92】、奥義「範囲攻撃(火術)」を習得する。
「本物のNINJAソウル」を使用せずにクライマックスフェイズの戦闘を迎えた場合、その熱き魂に触れることで所持者は追加の生命点を2点獲得する。
PC1 解説
秘密を取得すること以外、特に行動の制限がないポジションです。指定はありませんが、情報戦がメインとなるため比良坂機関がおすすめです。
対象はNINJAソウル、PC2~4、アイリーン・キャメロン、中川慎一郎の計6枚。交換や感情共有による秘密収集を積極的に行う必要があります。
鬼門となるのは中川慎一郎の秘密が取得できるかどうか。後半に回してペルソナを連続で引くと間に合わない可能性があります。しかし、秘密の効果もあり情報を集めるだけなので比較的やりやすいPCです。
情報判定を増やすために闇神楽を使用できる常世を使いたい所ですが、実は世界忍者連合が仇敵です。また、世界忍者連合の仇敵も比良坂機関となるため、この場合はPC3との関係をどうするかが見所になるかもしれません。
PC1 ハンドアウト
推奨流派:なし
あなたは自身の流派からの依頼で「世界NINJAカンファレンス」を視察しに来た忍者である。今回はどのような忍者がいるか観察できれば良いため、イベントに興じるのも悪くないだろう。
使命:「世界NINJAカンファレンス」を楽しむ
PC1 秘密
あなたは、他の忍者たちを見てその様子に興味を持った。この場で一体何が起ころうとしているのか。事の顛末を知ることができれば、大きな知見を得られるかもしれない。誰に味方するのかは自由だ。
あなたの【本当の使命】は、プライズを含めた全ての秘密を取得することである。
また、あなたは流派から情報取集用に諜報員を1人付けて貰っている。シナリオ中1度だけ、【秘密の効果の適用】を宣言するとメインフェイズ中に追加で情報判定をすることができる。
PC2 解説
「本物のNINJAソウル」の所持者。PC2の立ち回り次第でこのシナリオが協力になるか、対立になるかが大きく変化する可能性が高いです。
このPCのみ初期公開のハンドアウトにあるものが偽物だと事前に分かるため、以下のような補足をしておくと良いでしょう。
※「NINJAソウル」について補足です。最初から公開されているハンドアウトとして開示した「NINJAソウル」は偽物になります。
「NINJAソウル」を対象に秘密の調査をすることで、偽物である情報に加えて本物に関する情報も開示されます。
ハンドアウトには「然るべき人物に託してその者を味方につけること」と記載されています。然るべき人物というのがハンドアウト上で定義されていないのがみそで、PC2が自分の意志で誰かに託してその人物が協力的に行動するとNPCに限らず他PCに渡しても成立します。
想定されるルートとその展開を記載します。プレイする際は参考にしてください。
①アイリーン・キャメロンにプライズを渡す
→強化されたアイリーンがPC2の味方になる。PC2使命達成。PC3に狙われる可能性あり。この場合はPC2とPC3の対立型に。PC1、4、中川慎一郎をより多く味方にする戦いとなる。
PC3が対決する姿勢でなければ平和にできる可能性も残っているので頑張りましょう。
②PC3の秘密を見た上でプライズを渡して、PC3ごと協力者にする
→PC3が使命達成。PC2は協力してもらいクライマックスで勝利者となることで使命達成ができる。このルートでは協力型となり全員の使命達成がしやすくなる。アイリーン&伊賀忍者VSその他全員となればほぼ勝ち確である。
③メインフェイズ中にプライズを奪われる
→この場合はPC2が不利な展開になります。最初にプライズを所持しており、比較的使命達成をしやすい代わりに奪われた場合は一気に難易度が上昇します。
④中川慎一郎や一般人PCにプライズを渡す
→特殊ルート。演出はその場で考えましょう。この場合、火術がなくとも追加の奥義は使用可能とします。ちなみに、アイリーンは面白そうという理由だけでどのような展開であってもクライマックスには参戦します。
PC2 ハンドアウト
推奨流派:無し
あなたは世界忍者連合から招待され「世界NINJAカンファレンス」に参加することとなった忍者である。国内外問わず、様々な忍者が集うと聞いている。
使命:「世界NINJAカンファレンス」を楽しむ
PC2 秘密
実は会場に飾られている「NINJAソウル」は偽物であり、本物はあなたが既に所持している。「NINJAソウル」には不思議な力があり、シノビとしての力を引き出すらしい。
流派の依頼かはたまた個人的な興味か。ともかく、あなたは「NINJAソウル」を盗み出した。
あなたの【本当の使命】は、「本物のNINJAソウル」を然るべき人物に託してその者を味方につけることである。
もし、使命未達成の状態で「本物のNINJAソウル」が奪われた場合は【本当の使命】がクライマックスフェイズで勝利することに変更される。
PC3 解説
「本物のNINJAソウル」を取り戻すことが目的です。PC2が協力的かどうかで難易度が変化してきます。PC2のメインフェイズ中に戦闘を仕掛ける可能性があるため、GMはPC3の構成を確認しておくとプレイ時間を想定しやすいかも。
世界忍者連合は強力な忍法が多いので、色々な構成を楽しんで貰いましょう。
もし終盤でPC3がお土産の神通丸を忘れて入たらこっそり伝えておくと良いです。
PC3 ハンドアウト
推奨流派:ハグレモノ/世界忍者連合
あなたは、世界忍者連合に深く関わっている忍者だ。今回、世界忍者連合で噂となっている海外の忍が来日するという話を聞きつけた。その実力がいかほどのものかと気になったあなたは「世界NINJAカンファレンス」へと足を運んだ。
使命:「世界NINJAカンファレンス」を楽しむ
PC3 秘密
実は会場に飾られている「NINJAソウル」は偽物であり、本物は何者かによって盗み出されたようだ。「NINJAソウル」には不思議な力があり、シノビとしての力を引き出すらしい。
世界忍者連合には世話になっているので、プライズをどうにか取り戻したいと考えている。場合によっては利用される前にこちらで使ってしまうのも手かもしれない。
あなたの【本当の使命】は、「本物のNINJAソウル」を取り戻すことである。
もし、使命未達成の状態で「本物のNINJAソウル」が使用された場合は【本当の使命】がクライマックスフェイズで勝利することに変更される。
また、あなたは世界忍者連合からお土産として追加で神通丸を1つ貰っている。神通丸の個数を1増やしておくこと。
PC4 解説
本当の使命が無く、表の使命そのままになります。「世界NINJAカンファレンス」を平穏に終わらせるのだ。
他のPCが道中の描写シーン表などでめちゃくちゃし始めると、雲行きが怪しくなってくるかもしれない。ゲーム的には以下の条件によって使命達成できるか変動する。
GMの裁量でメインフェイズ中のカオス具合を裁定に含めても良いが、PC4が諦めていない限りはできれば使命達成できる方向にしてあげたい。
1.PC4もしくは伊賀忍者がクライマックスフェイズで勝利
→これは問答無用で使命達成。PC2かPC3が使命達成できなくなるので、基本は2を狙うのを推奨。
2.PC4が味方するPCが勝利して、平和に終わらせる方向で話を進める
→こちらも使命達成。
3.PC4が味方する側が敗北し、カオスな流れで話が進む
→この場合は使命未達成。敗北した場合でも、平和に収めた場合は達成可能。
メインフェイズ中の立ち回りで上手く他PC(特にPC2)を仲間にできるかが重要となる。終りよければなんとやらなので、頑張ってもらおう。
※別枠の兵糧丸について補足
クライマックス前には使用することができない別枠の忍具となります。メインフェイズでの忍具の交換や消費といった行為に使用することはできません。
PC4 ハンドアウト
推奨流派:無し
あなたは、「世界NINJAカンファレンス」の開催に伴い世界忍者連合の手伝いのためにやってきた。なんか色々な人がいる気がするが、多分気のせいだろう。
使命:「世界NINJAカンファレンス」を平穏に終わらせる
PC4 秘密
実は、あなたはこのイベントが何者かに監視されていることに気が付いている。騒ぎまくったら苦情が入ってイベントどころではなくなってしまう。自分がどうにかその場を収めなくては。
あなたは各サイクル終了時に、全PCが【見敵術】で判定をして失敗すると何者かによって居所が他PCにばらまかれることを既に知っている。
また、争いになった場合に一方的な展開を避けるため通常の忍具とは別枠で兵糧丸を2つ所持している。
これはクライマックスフェイズ開始時に好きな人物へと手渡すことが可能(1つずつ別の人物に渡しても良い)。自身の生命点が他者の忍術によって減少している場合のみ、自分で使用することが可能。
アイリーン・キャメロン 解説
今作のメインNPC。アメリカ出身人で自分をニンジャだと思い込んでいる一般人。GMは全力でアイロンをかけましょう。性格としては、アイロンがけ大好きでめちゃくちゃノリが良いです。目の前でPCがふざけたら乗っかるのが吉。
(競技人口3名)の所は「かっこ」と「かっことじ」を声に出して読みます。アメリカ出身のNINJAの「NINJA」は発音を変えて強調しましょう。シナリオのネタ度合いを上げる意味合いがあります。
アイリーンにNINJAソウルを使うかどうかで色々と変わってくるので、それなりに重要な人物。使った場合は物凄いテンションで喜んで楽しむこと。奥義は披露したいところ。
使われなかった場合は面白そうという理由で謎に戦闘に参戦してきて、やられたらギャグ調で「Oh No~!!」と言いながらお空に吹っ飛ばされる感じで退場すると良いでしょう。
アイリーン・キャメロンで「アイロン」ということで決まった名前です。エクストリームアイロンが元ネタの時点で割とぶっ飛んでいるので、それを忍術として使うキャラクターがいたら面白そうということで作りました。
この命名方法に気が付ければ、もう一人の人物についても推理できるようになっているのもみそです。
・アイロンを頼んだ場合の描写例
すると、あなたの○○はアイロンがけとは思えないスピードでかけられてあっという間にしわ一つない状態になりました。
上記のように、アイロンがけとしては凄まじいスピード(実は忍者並みの速度ではない)であることは必ず描写してください。ハンドアウト内容の伏線でもある叙述トリックです(ギャグシナリオなので許して)。
あくまで、通常のアイロンがけより早いレベルなのです。
アイリーン・キャメロン ハンドアウト
あなたはエクストリームアイロンとパルクールに忍術を組み合わせた Ultimate NINJA アイロン(競技人口3名) の使い手である。ついでにアメリカ出身のNINJAである。世界忍者連合から招待されて「世界NINJAカンファレンス」へと参加した。
背景:有名
使命:世界のニンジャたちと交流し、アイロンをかける
アイリーン・キャメロン 秘密
実は、あなたは自分をニンジャだと思い込んでいる一般人である。
しかし、自身がニンジャであると信じてやまないあなたは修行を重ねて世界忍者連合で有名になる程の力を身に着けた。だが、まだ何か決定的なものが足りないと感じている。
あなたの【本当の使命】は、足りない力を手に入れ本物の忍者になりアイロンをかけることである。もし、誰かがその力を与えてくれるのであればその人物に味方してくれるだろう。
本人的には特に隠している事もないため、ペルソナは所持していない。
中川 慎一郎 解説
目立ちたくない系の万能型なろう系主人公。ただし、割とかわいそうな人である。魔法使いと帰還者のペルソナを所持している。能力的にピッタリであり、通常のシノビガミではまず登場しないであろう設定のキャラクターとして用意した。
異世界から帰還したと思ったら、忍者かどうかも怪しい謎の集団の会合に飛ばされて内心焦りつつもどうにかその場を切り抜けようとする健気な人物だ。
転生ということで転生前とは見た目が変わっており、帰る場所もないため処遇は仲間にしたPCに委ねられる。実はこの部分が本シナリオ唯一といっていいシリアス要素である。
GMは秘密調査時にペルソナの処理を忘れないようにしよう。アイリーンは特殊仕様でペルソナがないため、こちらの処理を忘れがちなので注意。
中川 慎一郎 ハンドアウト
あなたは、「世界NINJAカンファレンス」に参加する忍者の1人だ。この場を平穏に過ごしたいと思っている。
使命:「世界NINJAカンファレンス」を楽しむ
中川 慎一郎 秘密
実は、あなたは忍者ではない。その正体は異世界転生からの帰還者である。しかし、帰還場所が偶然にも「世界NINJAカンファレンス」の会場であったため周囲にはバレないように魔法を用いた認識阻害で忍者のふりをしている。
あなたの【本当の使命】は、協力者を見つけてこの場を切り抜けることである。
最初にこの秘密を取得した人物は、任意の忍具を1つ渡すことでプライズ扱いとして中川を味方にすることが可能である。味方にしない場合は、次に秘密を取得した人物にこの権利が移る。
この人物は以下のペルソナを所持している。
ペルソナ:帰還者/魔法使い
基本145P
中川の秘密を取得した場合、ランダムに選択してもらい秘密か真実のいずれかが公開される。セッション時は帰還者と魔法使いの説明をのせてあげると分かりやすいだろう。
『偽装』困惑した表情
『真実』帰還者
『偽装』幻惑の使い手
『真実』魔法使い
シナリオ本文
GM向け情報:文中に赤字で記載されている描写は伏線となるため、必ず行うこと。
導入フェイズ
あなたたちは、何らかの形で世界忍者連合と関わりのある忍者である。それぞれの目的を果たすため、三重県で開催される世界忍者連合の会合「世界NINJAカンファレンス」へと参加した。
PCたちは同じタイミングで会場入りすることとなる。
※各PC同士の自己紹介タイム。落ち着いたら次の描写へ。
あなたたちが会場に到着すると、そこには様々なシノビが集まっていた。ずっと天井に張り付いている者、高速機動でひたすら手合わせをする者、ライブ配信して全然忍んでいない忍者、海外出身の愉快なシノビたち、はたまた「忍者ではないSAMURAIだ」と言いたくなるような見た目の者まで多種多様だ。
※ここではPCのリアクション等、RPを挟む。「SAMURAI」は急に発音を良くすること。一通り話が終わったタイミングでアイリーン・キャメロンが登場する。
すると、突如右手にアイロンを携えた金髪の人物があなたたちの目の前に現れ、近くでたむろしていた忍者たちに素早くアイロンをかけた。アイロンがけとしてはかなりのスピードだ。すると、アイロンがけされた忍者が声を上げる。
「な、なんだ!?お、おい!アイツはあの有名なエクストリームアイロンにパルクールと忍術を組み合わせた Ultimate NINJA アイロン(競技人口3名) の使い手、アイリーン・キャメロンじゃないか!?」「ほ、本物か!?サインください!」
「Oh!OKOK!よくご存じですね。ソウデス。ワタシが、そのアイリーン・キャメロンデース!皆さんヨロシクネ~。おや、アナタたちもこのイベントの参加者ですか?」と少々カタコトな日本語でPCたちにも声をかける。
アイリーンとPCが絡むRPを挟む。
といった感じでなんやかんやありながらも、あなたたちは会場入りを果たすのであった。
マスターシーン
1サイクル目終了時
あなたたちを見張るかのような謎の視線を感じる。攻撃して来る気配はないようだが…。
PCは全員【見敵術】で判定をして、失敗すると何者かによって居所が他PCにばらまかれる。
判定後、あなたたちに見慣れぬ青年が声をかけてくる。
「やれやれ。あんたらも随分と妙な所に来てしまったな。ここには他所の見張りもいるらしい。せいぜい気を付けるんだな。」
→名前などを聞いた場合
「中川 慎一郎。ただの忍びだ。」
それだけ言い残して青年は去っていった。
ハンドアウト「中川 慎一郎」が追加される。
2サイクル目終了時
再びあなたたちを見張るかのような謎の視線を感じる。
PCは全員【見敵術】で判定をして、失敗すると何者かによって居所が他PCにばらまかれる。既に失敗しているPCは判定不要。
クライマックスフェイズ
戦闘開始前に以下の行動が可能。
①アイリーン・キャメロンに「本物のNINJAソウル」を使用する
「これがワタシに足りなかった最後の力、ありがたく頂きましょう!」
すると突然アイリーンが赤いオーラに包まれたかと思うと上空に飛び上がった。
ずっと高速機動で手合わせをしていた忍者に対して同じく高速機動で飛び上がり二刀流でアイロンがけを行う。なんということでしょう。戦闘中にもかかわらず、忍者の服のしわが綺麗になったではありませんか。
「ふむ。素晴らしい!この力を下さったアナタに力を貸しましょう。」
②「本物のNINJAソウル」を使用せずそのまま所持する
突然「本物のNINJAソウル」を持っているPCが謎の赤いオーラに包まれる。不思議と力が湧き上がってくる。追加の生命点を2点獲得する。
③PC4の秘密にある追加兵糧丸を渡す
上記の処理が終了したら以下の描写する。
なんやかんや「世界NINJAカンファレンス」を楽しみつつも各々の目的のため、シノビたちは相対する。
やりたいことがあれば各PCのRPを挟む。
「待て待てーい!」そこに1人のシノビが割って入る。どうやらあなたたちを監視していた謎の人物らしい。
「この伊賀の地で忍者かどうかもよく分からん連中に好き勝手はさせんぞ!」そう、ここは忍者で有名な三重県伊賀市だったのだ!
「何だかよく分かりませんが、ワタシも混ぜてクダサーイ!」アイリーンは既にアイロンを構えて準備万端の様子である。
そこに中川も姿を現す。「やれやれ。暴れまわられても困るし、ここは俺も戦うしかないか。」
好き勝手に会話してもらってクライマックス戦闘開始。
NPCステータス
アイリーン・キャメロン
特技:器術/《火術》《衣装術》《身体操術》《隠蔽術》《対人術》《意気》
忍具:兵糧丸、神通丸、遁甲符
「本物のNINJAソウル」使用時以下の内容を追加
忍術:【接近戦攻撃(対人術)】、【車華火(身体操術)基本P92】
奥義:「Ultimate NINJA アイロン(火術)」
行動指針:味方以外の攻撃範囲内の敵を無作為に攻撃する。協力者の指示がある場合はそれに従う。
NINJAソウルなしの場合は予測値の相手にアイロンがけ(火術による命中判定)を試みる。対象がいない場合は中川を攻撃する。
中川 慎一郎
特技:妖術/《飛術》《変装術》《調査術》《召喚術》《幻術》《千里眼の術》
忍具:兵糧丸、遁甲符、遁甲符
魔法:不死身(召喚術)、判定妨害(幻術)×2
行動指針:味方以外に対して判定妨害を狙う。攻撃は召喚術を優先。回避の目標値が低かった場合は別の特技を使用する。帰還者の能力は、味方のピンチや自身への攻撃系奥義といった危機に対してのみ使う。
伊賀忍者(下忍頭)
基本185P
特技:戦術/《仕込み》《地の利》《用兵術》《暗号術》
忍具:なし
行動指針:その場を収めることが目的のため、目立つ人物・有利な側を優先して攻撃する。
エンディング
以下の条件を満たすものを順番に行う。それ以外はPCが自由にエンディングを演出して良い。
①アイリーン・キャメロンが【本当の使命】を達成
本物のNINJAソウルを使用or渡してくれたPCに対して「(PC名)サン、アリガトウゴザイマス。アナタのおかげでワタシに足りなかったスピードが加わりました。これでもっと沢山のニンジャにアイロンをかけられマスネ~。That’s so cool!!」そう言ってアイロン片手にアイリーンは高速機動で飛び回るのであった。
②中川 慎一郎が【本当の使命】を達成
協力者のPCに対して「(PC名)さん。おかげ様で助かった。礼を言う。しかし、ここが伊賀だったとはな…。あんたは知っていると思うが、俺は一度転生した身なんだ。要するに帰る場所が無い。俺はどうするべきだろうか?」
PCの回答に応じて中川の扱いは好きにして良い。
③PC4が使命達成or伊賀忍者(下忍頭)が勝利
どうにかその場を収めることに成功したPC4に伊賀忍者が話しかけてくる。「どうやら少し誤解していたようだ。あんたのようにこの場を収めようとしてくれた奴が1人いてくれただけでも嬉しいよ。本当に。とりあえずこれ以上は暴れずに楽しくやってくれればこれ以上伊賀からのお咎めはなしで良いだろう。」
そう言い残して伊賀忍者はその場を立ち去った。
ここでPCがやりたいエンディングを演出する。終わったら以下の文章で締める。
なんやかんや無事に「世界NINJAカンファレンス」は終了した。これからも、世界忍者連合は平和?に続いていくことだろう。
④PC4が使命未達成(色々とめちゃくちゃになった場合のEND)
この場合は先にPCがやりたいエンディングを演出する。終わったら以下の演出で締める。
戦闘が激化すると共に混沌と化してしまった会場。ある意味いつも通りの世界忍者連合である。
ここでPC4に対して伊賀忍者が話しかけてくる。「あんたも止めようとしてくれたみたいだが…。これは我々ではどうにもならんな。とりあえず上に連絡してこの場を収めてもらおう。」
その後、大量の伊賀忍者によって「世界NINJAカンファレンス」は鎮圧されたのであった!
なんやかんや「世界NINJAカンファレンス」は無事?に終了した。伊賀忍者に目を付けられることになったが、世界忍者連合は今後も平和?に続いていくことだろう。
あとがき
少し変わった形式のシナリオでしたが、いかがでしたでしょうか。以前に公開した新クトゥルフ神話TRPGのシナリオは初心者向けに振り切った話でした。私が得意な型のシナリオ形式だと今回のような感じになります。
変な人が登場してわちゃわちゃしつつも、あまり使われていないシステム内の要素を出したり独特の処理があるといった感じです。遊ぶ中でシナリオができたらブログ内でも公開していくので、お楽しみにー。
次回は毎週木曜日と19日にあるCatsUdonの日でGMできるように作成した、マギカロギアのシナリオ「常闇の手帳」を公開します。
マリオ映画の感想も書きたいので、そちらもそのうち出ます!
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